2005年 03月 05日 (土)
フィレンツェ展 1
値段のわりにいまいちということで評判(?)の「フィレンツェ-芸術都市の誕生展」を見てきました。 ツッコミどころ満載で僕はかなり楽しめました。(^^;; どちらかというと博物館的な内容でした。京都市美術館で4月10日までやっています。
まず最初から疑問に思っていたのはポスターにも使われている「若い女性の肖像」という作品の構図です。 絵の中心が「耳」です。もっと左を空けたくて仕方がありません。
パンフレットで隣にあるサンドロ・ボッティチェッリの「婦人の肖像」も似たような構図です。 当時のポートレートの基本フォーマットがこのような感じだったのかと勝手に納得してましたが、どうやら本当にそうだったようです。
サンドロ・ボッティチェッリの「婦人の肖像」は婦人にとっての前方=左側がかなり窮屈です。 耳というより肩が画面の中心です。 背景も彼女の右後方に窓があるようで、絵的にも心理的にも圧迫されている感じです。
会場内においてある図録によれば、こういう真横から見たポートレートが一般的だったようです。 画家はこの方向からみた特徴を覚えておけばよいので一度見ただけでも描くことができるということです。 中世美術のこういう職人的なところ好きです。 描かれる人のことはこれっぽっちも考えていないような…。
でも、これらポートレートのある「絵画」セクションで一番よかったのはざらざらした表面に木炭で勢いよく描かれたミケランジェロの「トリトン」です。
「絵画」セクションの前にあった「都市」のセクションでは、壁に描かれたテンペラ画(すなわち壁画)など大きな作品が展示されていました。 石に描くのも楽しそうだと思いました。 しかし、壁画をはがして板に張るという発想とそれを実現する技術には驚きます。
彫刻
三番目の「彫刻」セクションはかなり面白かったです。
まず、このベロッキオの「イルカを抱く童児」を見てください。 これ、イルカではないですね。
この爬虫類的な鼻はどうでしょう。イルカの鼻は頭頂部にあるのですが…。
尾びれはぎりぎりアウトくらいでしょうか。 水平なのはよいのですが、すこしひらひらしすぎです。
この写真ではわかりにくいですが、胸びれがすごいことになっています。 口角から出た筋がそのまま延びてひれになっています。 発達したえらぶたのような感じです。
つまり、たぶんえらがあるんです。 それ以外には魚類の胸ひれに相当するものも爬虫類や哺乳類の前肢に相当するものも見当たりません。
ヴェロッキオがイルカを哺乳類だと思っていなかったのは確かです。 おそらく本物のイルカを見たこともなかったのでしょう。 それでも、イルカの彫刻を作ってしまうというところがすごいです。 さすが職人。プロフェッショナルです。感動しました。
ミケランジェロの「磔刑のキリスト」は意外と小さかったです。 立派なアクリルケースに入っていて、話題の作品ぶりを発揮していました。
もうひとつ気になってしまったのは「マルゾッコ」つまり狛犬のようなライオンです。 困った顔をしていてかなりかわいいです。
ミケランジェロの「ダヴィデ像」の頭部石膏模造もありました。 頭部だけ見るとかなり大きいです。 黒目のくぼみがハートマークです。 この展示を見て気がついた人も多いようです。
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はじめまして。
今日はTバックいただき、ありがとうございます。
サイトーさまのブログ、いろいろ行ったはるし、お詳しいし、
とても勉強になります。
また覗きにこさせていただきますね。
ところで、こんどは兵庫県立のドレスデン国立美術館展に
行きたいと思ってます。
またお薦め情報ございましたら、ぜひお教えください。
4423pmさま。コメントありがとうございます。ドレスデン国立美術館展は今日からのようですね。はじめて知りました。兵庫県立美術館は好きなのできっと行くと思います。行ったらまた感想を書きますので乱文駄文で適当なことばかり言っていますが読んでやってください。
はじめまして。TBありがとうございます。
私の場合、ダビデのハートはハガキで確認したので、模造とはいえ目の当たりにしたときの衝撃は大変な物だったろうと想像します(笑)。
イルカについての考察はとても面白かったです。
まきさん。コメントありがとうございます。
瞳をハートにするミケランジェロもお茶目ですし、それを見つけて絵葉書にしてしまう人も楽しいですね。
こんばんは。
TBありがとうございました。
すごくよく解説書かれてますね。
感心してしまいました。
私には見る目がなかったのかと反省してます^^;
東京での展覧会をこの記事を
読みながら思い出して反芻することにします。
勉強になります、とっても。
Takさんコメント&TB返しありがとうございます。
いろいろ見てらっしゃるTakさんに感心していただいてうれしいです。
ヽ( ´ ∇ ` )ノ
こんにちわ。“耳”が中心の絵について“なぜ画家はこんな風に描いたのか?”という仮説をたててみました。こんど聞いてくださいね!
>おだまきさん。
耳ですねー。顔は重要ではなかったんでしょうか。
ちがうんです。耳のお話ではなくて・・・当時はこういうフォーマットだったんですよね?なぜ、画家はこんな背景や状況で依頼人たちを描いたかという物語のよーなものを作ってみたんです。
1。はじめのは背景のブルーがとても綺麗と思いました。それに袖口のレースや宝石も丁寧なかんじなので、依頼者も画家さんもたのしくキレイに!ってがんばったんではないでしょうか?(そ言えばフィレンツェって花の都の意でした?)
さて問題の2。は・・・(ちょっとあとに続く)
続き。この絵の依頼人はこの婦人ではない別の人で構図のわからない頑固者だった。どーしてもこの位置でしかも地味にと画家に頼んだ。画家は困った。けれども何とか美しさをひきだしたいと思って、観察したら、肩の線がきれいで茶色のビロードが似あう、と思った。それでそういう風に描いた。けれども、内心ふたりともおもしろくなかったので、自然と圧迫感が醸し出されてしまった。そして同じ色調(かな?)の褐色と青の絵なので、対比的に齋藤さんに並べられたことによって、雰囲気の違いがきわだってしまった・・・というのはどーでしょう?
なるほど。
この絵の依頼人はこの婦人ではない別の人は正しいでしょうね。^^)
「フィレンツェ展」─芸術都市の誕生展
東京都美術館で開催中の「フィレンツェ展」─芸術都市の誕生展へ行って来ました。
「フィレンツェ/トスカーナプロジェクト2004?2005」という
仰々しいものの一環だそうです、この展覧会。今回のプロジェクト:「フィレンツェ/トスカーナ2004...
