2005年 03月 25日 (金)
河井寛次郎展
河井寛次郎は釉薬研究で有名だという最初の説明文を見たので、今回はとりあえず表面だけを見ることにしました。 工芸にはあまり興味がなかったので見方がわからないからです。
ものの見方を会得するには質のよいものをたくさん見るべきだといいます。 その点、河井寛次郎の作品が250点も見れるこの展覧会はぴったりではないでしょうか。
青磁繕血小壺
最初に目に付いたのが青磁の壺の胴にぐるりとひとまわり朱色をのせたようなこの作品です。 ただし、もとの題名はもっと難しい字でした。
はい、青磁は社会科の授業で習いました。 うすい青色の陶器で中国のどこやらが発祥の地として有名なあれです。(ぜんぜん習得できてない) そこにびっくりするような赤色がきれいなグラデーションで重ねてあるのです。
グラデーションの綺麗さに驚くと共に、色の取り合わせにも驚きます。 うすい青と真っ赤のグラデーションなんて見たことありません。
後のほうにあるパネルで説明されていましたが、この朱は銅を含む釉薬を還元反応させて出す色のようです。 壺のほかに、外側だけ真っ赤な青磁のおわんや、桃の文鎮や水差しも、青磁に銅の釉薬で赤い色をのせていました。
工芸作品の作品名
「青磁繕血小壺」もそうですが、技法や素材そのままのストレートな作品名つけ方は面白いと思います。 工芸品は大抵そのような作品名ですが、他の美術ではそうはいきません。 単に「花」という作品ならありそうですが、「ワトソン紙に水彩とパステルの花」なんて題はないです。 工芸作品は素材と作品がより近い関係にあるからでしょうか。
しかし、「三彩草花文壺」という作品は茶色と緑で、どこが三彩なのかわかりませんでした。 後のパネルの説明によれば、茶色と緑と黄色の三彩だったようです。 見た目より、素材のほうにストレートな作品名です。
鉄薬の窯変?
窯の中の状態により同じ釉薬でも色が変わることを窯変というようです。 鉄薬(文字通り鉄の釉薬)のムラも窯変でしょうか。 鉄薬を使った作品はたいてい赤茶色の部分とほぼ真っ黒の部分が入り混じっています。
水彩画のウェットインウェットのような偶然性あふれる色ムラが、どれも面白かったです。 陶器のツヤツヤと、錆びた鉄板のザラっとした感じの両方を併せ持ったような表面です。 かなりじっくり見てしまいました。
形もおもしろいが
ここまで表面だけに注目してみていたのですが、最後の部分では多角形の壺や、握りこぶしの作品など、形にも注目せざるを得ないような作品群が出てきます。
それでもあえて表面を語ると、左は「打薬扁壺」という作品ですが、釉薬をひしゃくで打ってのせている、つまりアクションペインティングのようなものであるらしいです。 しかし、普通のアクションペインティングにあるようなアクティブな感じより、多分高価な釉薬をそんな風に使ってしまうスゴさに感心します。 まあ、塗り重ねは控えめですが…。
以上、あまり陶芸は見ない僕ですが、少しは見方がわかってきたかなという感触を得ました。
関連リンク
- 河井寛次郎記念館
- シンプルな河井寛次郎記念館公式ページ
- 河井寛次郎展公式ページ
- 京都国立近代美術館内のページです。河井寛次郎の生い立ちなどについてもまとめられています。
- 日テレの記事
- 河井寛次郎について、いい感じに軽くまとめられてます。写真が多いのがGood。
トラックバック先
河井寛次郎だいすきです。
五条のあたりに生家?窯?があります。
へんなつくりの面白い家です。いってみては。
>ktaくんコメントありがとう。
それが、河井寛次郎記念館かなー。行ってみます。
河井寛次郎は作数多いし、作風もいろいろだし(晩年の作品はユニークでわかりやすいけど)、僕にはまだとらえどころのない印象です。
サイトーさん、こんばんは。
サイトーさんの記事、読ませていただいて勉強になりました!
私、河井寛次郎さんの作品をこれだけじっくり見たのは
今回が初めてだったんですけど、
確かに年代によって作風が違うかなって印象ですねー。
でも、今回の「河井寛次郎展」でぐっと身近な人になりました(笑)
>モヨコさん。コメントありがとうございます。
年代による作風の違いなど、全体的に河井寛次郎を知ることができる展覧会でしたね。
モヨコさんのように抹茶茶碗中心に見てみるとか、切り口を変えて見ると新たな発見があって面白いかも。と思いました。(^_^)
こんにちわ。コメント&TB返しありがとうございました。
ちょっと過去ログを見て回ったらなんとなんと僕の尊敬する河井寛次郎先生について書いてるではないですか!いてもたってもいられなかったので早速コメントさせてもらいました。
彼の個展をやっているんですね、あー行きたい!行きたい!でも僕は今オーストラリア...ぐすん。うらやましいです。
今僕も釉薬調合の研究をやっているんですが、よく河井先生の釉薬をベースに調合したりしています。やはりオーストラリアでも彼の名は皆知っていてその偉大さに改めて感銘を受けます。
青磁と言えばいくつかありますが中国は竜泉窯の物が有名ですね。また天竜寺青磁や砧(きぬた)青磁というものもあります。色合いによって名前が違ってきます。
◆ヘイチさんコメントありがとうございます。
オーストラリアで陶芸をやっていらっしゃるのですね。マーブルどっとメルネットの方も見させていただきました。勉強になりました。(^_^)
釉薬の研究というのも面白そうです。窯から出てくるまで結果がわからないというのがドキドキですね。
はじめまして。
河井寛次郎展についてとても詳しく書かれていたのでTBさせていただきました。
釉薬の世界は奥が深そうですね。
河井寛次郎展を観ました。
先週、京都国立近代美術館で「河井寛次郎展」を観ました。陶芸の知識はほとんどない
僕の中の河井寛次郎〜魂の陶工
「映画パラダイス」と銘打ちながら、最近は映画を離れた話題が多くなってしまった。日曜に妻と猫2匹が京都に引っ越してきた。荷物がまだ山のようである。その整理に追われ、映画を観るどころではない。でも、きょうは映画の近接領域とも言える美術に関する話を書こうと...
