2005年 05月 26日 (木)
東山魁夷
澄んだ色調でさまざまな風景を描いた東山魁夷は僕がもっとも尊敬する風景画家です。 生を肯定するような気持ちの良い作品で良く知られていますが、こんな言葉を残していました。
人は尋常でない面、いわゆる無気味な面を持っている場合、二種類あると思うわけです。 それをぶちまけていく人間と、それを内側に秘めて、表にあまり見せようとしない人間と。
いずれにせよ、デモーニッシュなものがなければ、文学も絵画も成り立たないと思うんですが、デモーニッシュなものがどういうふうに表れていくか。 それを私の場合はなるべく隠したい、抑えたい気持ちのほうが多いんです。
『みづゑ』九二四号、1982年9月、101-102頁
感情をたたきつけるような激しい表現ではなく、思想を語るかのように落ち着いて奥の深い画面を描く魁夷の作画姿勢を感じさせる言葉だと思います。
風景画を描こうとすると勢いそうなるものかもしれませんが、僕もデモーニッシュなものは抑えています。 結局、健全なものを追求する方が幸せかと思います。
