









虫の好きなVolvox氏が今回はあまり虫を描いていない。 と思ったら、この花は普通じゃない。というか虫にしか見えない…。
サイズ、モチーフの傾向などがばらばらであるにもかかわらずそれなりのまとまりがある四点組みだが、 五点組みというご意見帳の表題と違い、四点しかない。 今回は出品予定数が多すぎるというリッチな状況なので出品を控えてくれたのだろうか。それとも間に合わなかっただけか?
最初の猫はありそうだが、虫のような花はなさそうだ。 次の「かなしいおと」は、上のほうに点のような文字のような判然としない記号が色鉛筆でたくさん描かれているのが非常に気になる。 読めそうで読めないというか、題名と関連したかなしいことが書かれていたらいやだから読みたくないような読みたいような…。とにかく気になる。
ピンク色の画面の「月と星と」は、月はわかるが星はどこだ?と思ったが、探すと確かに星がある。 下の円弧はごく普通にみえるが、上にも円弧があることに気がつくと空間把握ができなくなる。 円弧は地平線なのか、半円形のピンクの壁の底辺なのか、とすると月と木は描かれたものなのか?
※本人からの回答によれば、下が月で右上のが星。 そして、これは爪らしい。 ということはある意味ネイルアートか? ヒトデは星じゃないのか…。
水彩で面を塗ってそこに白い色鉛筆で線画を描くと映える。これは採用しよう。
松本氏は旧作を削って出したようだ。
絵の具を足すのではなく削り取ることによって作品を新たにする。 まさに引き算の創作活動である。 マイナスによって創造するという相反するかのような表現手段を提供する唯一の技法が彫刻であるなら、二次元の彫刻とも呼ぶべき新たな境地を開拓するのが今回の試みである。 人呼んでマイナスのクリエイター、キャンバス上の彫刻芸術、ユークリッド空間の魔術師である。(意味不明)
全体的に茶色の画面だが、下地は緑色だったようだ。 削り取られた部分に緑色やキャンバスの白が見えている部分が古い壁画のようで面白い。 人物像が微妙にポップなのでかなりミスマッチな印象を受ける。 かろうじて見える程度まで削り取ってしまってもよかったかもしれない。
興奮すると声の高くなる増田氏は色弱であるらしい。 そこで特別に白黒にした彼の作品を参考図版として用意してみた。 彼にはカラー図版より白黒の方に近く見えているはずである。
中央少し左よりにくの字に明度の高い部分があり、焦点であるべき大輪の花へと流れを作っている。 そこにもみじを配置するなど比較的装飾的なので、ディティールをはっきりさせるとよりよいものになるだろう。っていうか、下の草とか右下の花とか適当すぎ。
※本人から「色盲ではないから白黒の方に近く見えるわけではない」というコメントがあった。 なるほど。難しい問題だ。 とはいえ、彼の目玉を借りて見るわけにもいかないのでとりあえずカラーの部分には触れず、共通の感覚である明度分布に関して論じるという文脈で白黒図版を参考にしていただこう。
「大胆不敵な墜落」というスケールを感じさせる大作を出したのは牧田氏。 きわめて抽象的で同時にかなり説明的でもあるこの作品のネームプレートの説明によれば、墜落しているのは「アメーバ」…。大胆にしてなんという規模の小ささ。
アメーバを中心として放射状に正方形の切れ端が並べて貼ってあり、その上に描かれている。 正方形の輪郭は白で縁取られているものの、映像は正方形の境界を乗り越えて描かれているのでその分多層的な画面が形成されている。支持体に細工をして厚みを出す手段としてはマチエールがもっともメジャーだが、このようになにか貼り付けるのも面白い。
まじめに風景を描く大友氏は今回もきわめてまじめに取り組んでいる。しかし、建物をこの角度で描くのはとてもお勧めできない。どんなに正確に描いても正しく見えないからだ。建物はほぼ正面を捉えるか、消失点を画面に含めて描くのが必勝パターン。
伝え聞くところによれば、彼は写真を何枚か撮ってそれを元に描いたらしい。 球面上(内側)に配置するとうまくつながるようだ。 ということは見上げるほど近くから撮ったということであり、それを二次元に投影したものを元と同じように見るには見上げるように見なければならない。それが遠近法の限界である。 絵のサイズがF50で、視線の高さは廊下の床くらいであるから、この絵の手前1m弱に椅子を置いて絵を見上げると、ちょうど撮影したとおりに見える。 (普通の鑑賞法とは程遠い。)
これ以外の方法で見ると必ずゆがんで見えるので、この絵を見るときは1mくらい離れたところから椅子に座ってご鑑賞いただきたい。
部内にファンクラブができる人気者の先崎氏は、自画像の中でも酒を飲んでいる。 ホームレス的自画像らしい。似合っている。 背景はコンクリートの壁面を意識しているのか、テクスチャが面白い。 濃い色に白を乗せてそれを削るというのがいい感じだ。
人物の方をみるとハイライトの白が少しうるさい。 もっと固有色のトーンに近い色を作って重ねていくとよいだろう。 また、手が微妙にキャップをつかめていない。 とはいえ、全体としては色数を抑えて落ち着いた雰囲気。
水彩画の方は、ほんわかした感じがよい。 ただ、猫の下に見えているマットの端が硬そう、色も濃すぎる。 ついでに言えば、動物の前景と背景がつながっていない。 水彩は手軽さがよいので前景も適当にごまかしたら良かったか?
田端氏イコール自画像だと思っていたが、最近は風景も描くようだ。 「これは…絵葉書ですか?」「はい」 いかにも絵葉書的なモチーフ、構図。 色が赤っぽくて変なのは面白いが、ディティールはかなり適当だ。
一番気になるのは額装だろう。 ひとまわり以上大きな黒い額だ。 一説によるとサイズを間違えたらしい。(間違えすぎだ) しかし、キャンバスの端くらいは処理して欲しい。
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