+ 格子模様テクスト2

ナチュラルハーモニーについて

純色の明度は、黄色が一番高く青が一番低い。複数の色相があるとき黄色よりのものが青色よりのものより明度が高いときをナチュラルハーモニーといい、自然な色の組み合わせであるといわれている。この逆の場合をコンプレックスハーモニーという。均一な色のものに影があるとき、光があたっている部分の色と影の部分の色がナチュラルハーモニーの関係にある。

唐辛子に関するメモ

 格子模様あるいは色彩を的確に鑑賞させるためには唐辛子あるいはその他の静物がどうしても必要である。仮に焦点に何も配置せず、例えば「緑の格子模様」などと題して作品を提示したとする。鑑賞者はきわめて視覚的に捉え、あるいは評価を試みようとするかもしれないが、大抵は解釈することを諦めてしまうだろう。一方、唐辛子その他の、容易に判別可能な具象物を配置するなら、直ちに「これは唐辛子の絵だ。」という評価を下すことができる。作品鑑賞としてはこれだけでもある程度満足できるものであるが、更に格子模様に対する視覚的な批判を加える余地が残されている。そのために全ての題名は格子模様に注意を向けるよう促しているわけだ。日の丸弁当の梅干はあくまでおかずであり、ご飯が主食なのである。これが海老天丼ともなれば海老天が主役になれるのだが、格子模様シリーズの唐辛子などは結局梅干程度である。

色彩について

 配色を決めるときに必要になるのはいわゆる感性とかセンスというものではない。色彩について論理的に評価することである。そのためには系統色名など色彩に関する知識が役に立つ。ほとんどの系統色名表示規格では色相、明度、彩度の三つの要素を用いて命名している。

色彩に関するメモ

 格子模様を塗り分ける作業は音楽を作曲する作業に似ている。とあるコード進行を基礎に作曲をするように特定の色相をベースに配色を行なう。ある和音には絶対に合わない和音があるようにどうひねっても隣り合えない色彩がある。一番簡単でありがちなポップソングのコード進行みたいな配色は同一色相で明度差だけのアクセントがあるようなもの、かなりのテクニックがないと上手くいかなくて経験がものをいうジャズのような配色は類似トーンでまとめてあるような色だ。今はまだありがちなコード進行程度のレベルを抜け出せずにいる。

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