京都国立近代美術館でやっている「藤田嗣治展」をおくればせながら見てきました。7月23日までです。
平日の昼だというのにものすごく込んでいました。
どんな展覧会も会期の初めのほうがすいているので、人気のありそうな企画展は早めにみておくとよいです。しかし、藤田がこんなに人気だとは知らなかった…。
前半は、いわゆる乳白色の画面を確立するまでのフランスでの作品。裸婦と猫と細かな模様のタペストリーが見所です。藤田っぽい作品だなあ、と安心できます。
中盤は日本に戻っての作品群。急に色が濃くなって、ちょっとびっくりします。
しかし、人の顔は表情豊かになって確実に良くなっています。日本人は日本人の顔が得意なのか?と思ってしまいます。
まあ、ミュシャだってサラ・ベルナールを描くときよりスラブ系の少女を描くときのほうがいい顔を描くし、そんなもんかもしれません。
ただ、クオリティあがったし顔もいいけどなんか藤田っぽくない。
(っていうか、人が多すぎて疲れた。もう飽きた。帰りたい…。)
と思っていたら、戦争画をはさんで後半、再びフランスに戻った藤田の作品群です。来ました。まさに藤田っぽい。僕が求めていたのはこれです。
乳白色の画面に精細な線。非常にクオリティ高いです。そして、裸婦とタペストリーと猫。(ネコ飼いたい…。) 動物の表情とか毛並みとか、木の木目とか細かく描かれていて最高です。ディティールの描きこみがすごい素敵です。よくできた映画を観ているような密度の濃さです。感動して涙が出てきました。(人ごみで目が疲れただけですが。)
ここだけはどんなに混んでいても絶対に最前列でじっくり見ることをお勧めします。動物の毛の一本一本、木の木目、室内にあふれるモチーフのディティールを目を皿のようにして見てください。
というか、ここ以外は人の肩越しにササッと見るだけでいいです。藤田が再渡仏したあたりから子どもたちの絵のあたりを見ることに全力を注いでください。それで充分です。
というわけで、会期も残りわずかで、ますます混雑していくと思われますが、興味を持った方は行ってみてください。僕はちょー満足しました。